ご挨拶

今回の地震があってから、10日が経ちました。
あっという間のような、恐ろしく長かったような...
今迄体験した事のない恐怖に体内時計がおかしくなってしまっているようです。

地震発生時に体験した震度6という地震と、その後繰り返される余震。
帰宅出来ない家族に代わって点検しに行った実家の室内は驚くくらい平常で、
かえってそれが不気味で涙が出ました。
夜になって各地で頻発する地震に怯え、一人実家で猫を抱きしめてベットで
震えて過ごした夜。
断片的な記憶しか残っていませんが、とにかく朝が来てくれさえすれば
何もいらないと思って過ごしました。

あの夜の私の願いはそれだけだったのに...

家族がみんな無事に帰ってきてさえくれれば...

来日していた彼女が予定の飛行機に乗る事さえできれば...

余震さえ収まってくれれば...

ひとつ解決する度に新たな欲がわいてきます。

命を落とされた多くの方々の恐怖と無念を、被災地で寒さや不自由を強いられても
辛抱強く耐えていらっしゃる方達の困難を、今も救助を待っていらっしゃる方の
不安を思うと、こんな自分勝手な欲にどうしようもなく腹が立ちます。

私はただほんの一瞬怖い思いだけしただけなのに...

それでも私の欲は止まりません。
母はそれが生きる力、生命力なんだと言いました。

今は...
被災地の厳しい寒さが早く和らぎますように。
救助、防災のために力を尽くして下さっている方達の身に危険がありませんように。
今日が昨日より良い一日になりますように...

そう祈って過ごしています。

今はまだ余裕がなく、しばらくは不義理する事になると思います。
またもっと多くの欲が出てきたら、少しずつでも行動を起こせたらと考えて
おります。


電力、ガソリンの節約に協力して下さっているみなさま、
救助、防災、復興のために骨身を削って下さっているみなさま、
温かなお気持ちと物資の支援を惜しみなく送って下さっている各国のみなさま、
今日もパンダさんを守って下さっているスタッフのみなさま...

全ての方に感謝いたします。


聡美